大きな自然災害が起こると、場合によっては避難勧告や避難指示などが出されることがありますよね。
2018年の西日本豪雨でも避難勧告や避難指示が出され、大変な被害がありました。
しかし、避難勧告や避難指示が出されたにも関わらず避難しない人は少なくなかったと言います。
夏になると台風や大雨などが増えるので、これからの時期は特に不安になりますよね。
避難勧告が出ても避難しないと判断する人はどんな理由からしないのでしょうか?
また、避難勧告が出た時はどうすればいいんでしょうか。
そもそも「避難勧告」と「避難指示」ではどう違うのかも詳しく知っておくべきですよね。
今回は、
避難勧告が出ているのに無視して避難しないのはどうしてなのか?ということや、
避難勧告と避難指示の違い、
避難勧告が出た時にどうするのがいいのか?
などについて調べたことシェアします。
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避難勧告が出ても避難しない人の理由
災害時、避難勧告が出ているにも関わらず避難をしない人というのが多くいます。
その理由はどんなものがあるのかご紹介します。
・避難勧告の時点ではまだ大丈夫だろうと判断する
・避難場所が遠く、大雨の中行くよりは家にいた方が安全だと思った
・そもそも避難場所を知らない
・避難場所が自宅から近すぎて避難する必要がない
・以前、避難勧告が出た時は何もなかったから
・自分は大丈夫だろうと思ってしまう
避難しない人の理由としては以上のようなものが多いそうです。
このあと詳しく説明しますが、避難勧告と避難指示では避難指示の方が緊急性が高いので、避難勧告であれば行かなくても良いだろうと判断する人が多くいるそうです。
また、避難場所が自宅から遠い場合、荷物を持って大雨など災害が起こっている中移動するのは逆に危険なので、自宅に留まる方が良いと思う方もいます。
避難するかどうかを迷っていたり、避難場所を調べたり準備しているうちに避難するのが遅れて、既に外は危険な状態で避難ができなかったという場合もあると思います。
そして避難場所が自宅からかなり近い場合に関しては、確かに無理に避難場所に行く必要がなく、自宅も安全だと判断出来るのであれば留まる人も多くいると思います。
「これまで避難勧告が出たことはあったけど何もなかったから、今回も大丈夫」
「まさか自分が被災することはないだろう」
という風に、人はどうしても自分の住んでいるところは大丈夫だという心理が働いてしまうものです。
確かに、避難しない方が助かる場合もあるとは思いますが、避難勧告が出ている以上危険が迫っている状況ではあるので、それぞれ冷静な判断をする必要があります。
避難勧告ってどうすればいい?避難指示との違いは何?
行政から住民に対して出される発令で、避難が求められるのは主に3つです。
・避難準備・高齢者等避難開始
・避難勧告
・避難指示(緊急)
最も緊急性が高く危険な状況なのは避難指示で、その次に避難勧告、その次が避難準備となっています。
避難準備が出され、さらに危険な状況になったら避難勧告、避難指示、という順番で出されますが、状況によっては最初から避難指示が出されることもあります。
避難準備とは
自然災害による被害がもしかしたらこれから起こるかもしれないという状況の時に、高齢者や身体の不自由な方、小さなお子様がいるような方達は先に避難の準備を始めましょうと呼びかけるのが避難準備です。
被害が起こるかどうかはまだわからないけれど、避難に時間がかかってしまう人たちの為に早めに避難開始を呼びかけます。
もちろん、それ以外の人たちもこの時点で災害が発生するかもしれないと危機感を持ち、準備しておくことが大切です。
避難勧告とは
先ほどの避難準備・高齢者等避難開始よりも洪水、土砂災害、高潮、津波などによる被害が発生する危険性が高まった時に出されるのが避難勧告です。
これは、住民の命を災害から守る為に「指定緊急避難所」へ避難するよう促すものです。
ニュアンス的には、「避難した方が良いですよ」という感じで、絶対しなさいというものではありませんが、「身の危険が迫っている可能性があるので出来るだけ早く避難した方が良いですよ」という感じです。
避難指示(緊急)とは
避難指示は、避難勧告よりもさらに災害が発生する危険性が高まった状況で発令されるものです。
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先ほどの避難勧告では「避難した方が良いですよ」というニュアンスだったのが、「避難しなさい」という風により強く避難を促します。
避難勧告 避難指示は義務?
とはいえ、避難勧告や避難指示には法的な拘束力はないので、避難を強制するものではなく、避難しなかった住民が罰則を受けるということもありません。
避難=避難所に逃げることではない
避難勧告や避難指示が出ると、避難場所へ行かなくては!と焦るかもしれませんが、避難することが避難場所に行くことというわけではありません。
過去の災害では、避難している途中で被災してしまうということも起こっており、無理に移動するのはさらに危険だという場合もあります。
なので、その時は自宅内の最も安全な場所で待機したり、鉄筋コンクリートのマンションなど近くの丈夫な建物に避難するなど臨機応変な対応をしましょう。
避難勧告がでたらどうする?
避難勧告などが発令されたら、安全な場所に避難するなど、とにかく身を守る行動をとるものですが、緊急時は焦ってしまいどうすればいいの?!となってしまいますよね。
そこで、具体的にどうすれば良いのかについてご紹介します。
避難勧告どこに?→ハザードマップを確認する
自宅にいては危険な場合は指定避難場所や指定緊急避難場所に避難することになります。
これらの場所が分からずに、避難しなければいけないけどどこに行けばいいか分からない!となって避難が遅れたり、避難が出来ずに被害にあってしまうこともあるので、しっかり確認する必要があります。
住んでいるところの市役所や役場の防災マップ(ハザードマップ)に指定避難場所と指定緊急避難場所が載っているので、一番近い場所や自宅からの避難経路などを確認しましょう。
また、自宅のある場所は安全なのかどうかというのも、ハザードマップである程度確認することが出来ます。
大雨などの際、洪水の危険がある場所なのかどうかなどは知っておきましょう。
近くに川などはないから大丈夫と思っていても、実は洪水の危険がある場所だったということもあります。
指定避難場所とは、学校、体育館、公民館などで、避難所と呼ばれるところです。
指定緊急避難場所とは、比較的丈夫で安全な建物や、学校のグランドや駐車場など広い場所です。
特に危険な災害が起こった時に、命を守る為に緊急避難するのがこの場所になります。
情報を集めておく
避難勧告は市町村が発令するものですが、避難所の準備などで発令するのが遅れたり、予想よりも早いスピードで水位が上昇してしまい、発令した時には遅いということもあるので、そもそも避難勧告が発令されてからでは遅いという場合もありえます。
大雨や台風は事前にある程度災害が起こる可能性が想像出来るので、テレビやインターネット、ラジオなどで出来るだけリアルタイムな情報を集めることが大切です。
そこで、自分でしっかり判断し、危険が迫っていると感じたら避難勧告が出ていなくとも避難の準備を始めるのが良いです。
2018年の西日本豪雨では、避難勧告が出されて避難したのは全体の0.3%だけで、広島県内では100人以上の犠牲者が出てしまいました。
避難しなかった人の中には、急な避難勧告に対応出来なかった人も多くいたので、事前の対策がとても大切だということが分かります。
ハザードマップを確認する、家族と離れている時に避難勧告が発令されたらどうするのか話し合う、避難する時の持ち物は?など、日頃から備えておくことはとても重要です。
まとめ
避難勧告が出ても、必ずしも避難しなければいけないというわけではありませんが、自宅にいた方が安全なのか、避難した方が良いのかきちんと判断する必要があります。
そのためには、
・事前にしっかり情報を集めておく
・災害が起こるかもしれないと危機感を持っておく
・ハザードマップを確認する
・家族と話し合っておく
・避難する時の荷物(防災バッグなど)を日頃から準備する
これらのことをしておくと、避難勧告が発令されてもスムーズに避難することが出来ますし、慌てずに行動することが出来ます。
これまで、大雨や台風など様々な災害で被災された方々の経験をしっかり踏まえて、これから被害に遭う人を減らす為には、日本中どこでも災害は起こっておかしくないと思って、全ての地域で防災対策や避難対応などを見直し、一人一人の住民が意識を変えていく必要があります。