甘くてねっとりおいしい干し柿。
私の大好きなドライフルーツのなかのひとつです。
家庭でも簡単に作ることができるので、渋柿がある時は作ってみるんですが、
でも、なぜか黒くなってしまう、売っている干し柿のようにキレイな色に仕上がらない・・・
カビなのか、悪くなっていてもう食べられないのか、判断に悩んでしまいます。
これって私だけ?
今回は干し柿が黒くなる原因について詳しく調べたことシェアします。
おいしい干し柿を作るコツも見つけたので併せてご紹介。
参考になれば幸いです。
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干し柿が黒くなるのは何が原因?
干し柿が黒くなるのは、柿に含まれるタンニンが原因です。
タンニンはポリフェノールの一種で、植物の樹皮や葉、熟れる前の果実などに含まれる渋みの成分です。
赤ワインの渋みもタンニンで、お茶に含まれるものはカテキンという呼び方をしています。
緑茶や紅茶に含まれるカテキン=タンニンということですね。
甘い柿を切ってみると、黒い斑点状のものがみられますが、これがタンニンです。
でも渋い柿を切ってみると斑点がありません。
タンニンは渋み成分なのに、どうして渋い柿には見えなくて、甘い柿には見えるのでしょうか。
渋みを感じるタンニンは、水に溶ける状態で含まれています。
渋みを感じないタンニンは、水に溶けない状態で含まれます。
甘い柿にある黒い斑点は、水に溶けない状態のタンニンなので、食べても渋みは感じません。
一方渋い柿には、水に溶ける状態で含まれるため、そのままかじるとタンニンが唾液によって溶け出し、もろに渋みを感じてしまうんですね。
この可溶性のタンニンを不溶性にしてしまえば渋い柿も食べられる、その方法のひとつが干し柿にすることです。
干し柿にして水分が抜け、固まって不溶性になったタンニンが、表面に浮き上がってきて黒くなるのです。
どうして売っているもののようにキレイにできないの?
どうして市販の干し柿はキレイなオレンジ色なのでしょうか。
市販の干し柿は、皮を向いたあと「硫黄燻蒸(いおうくんじょう)」という行程を経て作られます。
硫黄燻蒸とは、硫黄を燃焼させて発生した亜硫酸ガスで、柿を燻すことです。
こうすることでタンニンの酸化を防ぎ、黒く変色するのを防止します。
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加えてカビや雑菌の繁殖をおさえ、乾燥を促進させます。
大正時代から行われている方法で、硫黄の量や燻蒸時間には厳しい決まりがあります。
個人でできないこともないのですが、臭いや煙が発生するので家の中ではできませんし、住宅密集地やマンションでは難しいですよね。
商品として売るのでなければ必要な工程ではありません。
市販品でも無添加にこだわって作られたものは硫黄を使わず作られています。
多少黒くなるのも手作りならでは、美味しさに変わりはありません。
キレイな干し柿を作りたい!
それでもやっぱり、おすそ分けもしたいし、できるだけ黒くしたくないですよね。
いくつかコツをご紹介するので、試してみてください。
①皮をむいたら塩を入れた熱湯で殺菌する
皮をむいて紐をつけたら、カビを防ぐために熱湯に10秒ほどくぐらせます。
その際、熱湯に塩を加えるとタンニンの酸化反応を阻害して黒くなりにくくなります。
②日当たりより風通しを重視する
直射日光に当てすぎると酸化が進み、変色しやすくなります。
また干している間に雨や霧が当たったりすると、再び水分が戻ってしまい、表面が黒くなりやすくなるので注意です。
③揉むタイミング
干してから10日ほど経って表面が乾いたら、ひとつずつ果実をやさしく揉みこんでいきます。
表面が乾く前に揉んでしまうとタンニンが溶け出し、酸化して黒くなりやすくなります。
数日後に再度揉みこみ、好みの干し具合になるまで繰り返します。
揉むことで中の果肉が均一になり、部分的に渋い、なんてことが防げます。
④気温と湿度
干し柿を作るのに最適な気温は15℃以下、季節で言うと11月ごろからになります。
空気が乾燥し、気温が低くなる季節が干し柿づくりには最も適しています。
気温が高いとカビが生えやすく、また酸化反応が進んで黒くなりやすくなります。
まとめ
実は自分で作ったほうが安くたくさん味わえる干し柿、作って損はありません。
黒くなってしまっても美味しさに遜色ありませんので、気軽に手作りの味を楽しんでください。