平成30年度のケアマネの合格率は10.1%となっており、平成29年度の合格率21.5%から半減し、過去最低の合格率という結果になりました。
ケアマネの合格率は、年々下がっていっているのですが、その原因は何なのでしょうか?
そこで今回は、ケアマネの合格率が低い理由、そしてケアマネの試験に合格する為にはどのくらい勉強が必要なのか?効率のいい勉強法の秘訣をお伝えします。
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ケアマネの合格率が低い理由は受験資格が改正された
そもそも、ケアマネの受験者の数自体が大幅に下がりました。
第20回の平成29年度のケアマネ受験者数は13万1千560人だったのに対して、第21回の平成30年度の受験者数は4万9千312と激減しているのが一目で分かります。
ここまで受験者数が減ったことの理由の1つとして、平成30年度からケアマネの受験資格に変更があり、受験できる人のハードルが上がったことがあります。
これまでは、
・介護現場で実務経験が10年以上 ・介護の業務経験が5年以上あり、ホームヘルパー2級などの資格がある
これらに当てはまる方は受験資格があったのですが、受験資格から除外されました。
一見、ハードルがさがっていると思いますが、そうではなく、今まで介護職をしていた方がケアマネージャーに転職する機会がなくなったと見ることができます。
要するに、国はケアマネージャーより介護職員を増やす政策をとっています。
また、介護職員で実務経験10年以上のリーダー職員になれれば特別に8万円の給付が受けられる処遇も改善されています。
よって、ケアマネの受験者数自体が減って、合格者数も減ったということです。
ケアマネに対して求められる知識がより増えた
受験資格が改正された理由の中には、厚生労働省がケアマネに対してより高い専門性を求めるようになってきたということがあります。
介護保険に関する制度や、介護報酬などの見直しは3年に1度行われています。
その見直しのたびにケアマネが求められる知識がどんどん増えていきます。
ケアマネの専門性って具体的にどういうことなのかというと、ケアマネの主な仕事であるケアプランの作成を行う時に、利用する高齢者やその家族の思いをできる限り反映させたプランを作ることができる能力を持っているということです。
そのためには、利用者が本当に求めていることを理解し、汲み取ることができるコミュニケーション能力があること、そして様々な提案ができるように介護サービスに関する深い知識を持っていることが重要となるのです。
他にもケアマネに必要な能力はありますが、主にこれらの能力や専門性がある人を集めたいので、受験資格がより厳しく改正されたと考えられます。
勉強量が足りていない
受験資格が厳しくなり、求められる専門性がより高くなっていることなどから試験の難易度が上がってきていることなども原因ではありますが、この他には単純に受験者の勉強不足だったというのも合格率が下がっていることの1つとして考えられます。
ケアマネの受験者は、看護師や介護福祉士など、元々介護に携わる仕事をしている人がさらにキャリアアップを考えて受験しているという人がとても多いです。
特に介護福祉士は、これまでの介護の知識を活かしながらキャリアアップが出来るということで特に受験者が多いです。
しかし、仕事をしながら受験勉強をするというのはとても難しいことで、学生時代とは違って勉強時間にも限りがありますし、勉強法がわからなかったりして効率が悪くなってしまうことがあります。
たくさん勉強したつもりでも、勉強法が間違っていて合格できないということもあります。
ケアマネどれくらい勉強すれば合格できるのか?
では、どうやって勉強すれば合格出来るのでしょうか。
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先ほどもお伝えした通り、勉強法が間違っていては合格出来ません。
ということは、正しい勉強をすれば合格出来る確率が上がります。
実際にケアマネの試験に合格した人が行った勉強法としては、
1.過去問を解いて問題の傾向を知る
2.過去問の分野別で得点率を知る
3.ワークブックで知識を増やす
4.模擬問題集を解く
以上の4つの流れです。
ポイントは、問題を解くことを重点的に行うということです。
テキストなどをひたすら読むよりも、問題を解いて得た知識を出していくのが、ケアマネ合格の為の効率的な勉強法なのだそうです。
1.過去問
まず過去問を解くことでケアマネの試験の問題の傾向を知ることが出来ます。
そして、自分の今の時点でどれくらいの知識がついているかどうかを知ることも出来ます。
ケアマネだけでなく、試験勉強の第1ステップは過去問から始めることをおすすめします。
そして、過去問は1度解いて終わりではなく、同じ過去問を何度か繰り返すことが必要です。
何度も解くことで、知識を定着させていくことが出来ます。
2回目以降は全ての問題を解くのではなく、間違えた箇所だけを解いていくことで、間違いを減らしていけばいいです。
2.得点率を把握する
次に、解き終わった過去問の分野別で得点率を出します。
ケアマネの試験は、介護支援という分野と保健医療福祉サービスという2つの分野に分かれています。
この2つの分野の得点率をそれぞれ出しましょう。
得点率は、解くことが出来た問題数÷出題数で出すことが出来ます。
こうすることで、自分が得意な分野と苦手な分野を知ることが出来て、今後は苦手な分野を重点的に勉強することが出来ますよね。
ケアマネの試験はこの2つの分野でそれぞれ70%以上の正答率が必要なので、得意な方を伸ばすというよりは苦手な分野を克服することの方が合格に繋がります。
3.ワークブックで補強
過去問で得点率を出したら、ワークブックで知識を増やします。
ただ、ワークブックを読むことに時間を使いすぎてしまうと、勉強時間が足りなくなってしまって効率が悪いので、ワークブックはあくまでも補助として使います。
過去問を解いて答え合わせをするときに、間違えた所の解説を読みますよね。
この解説を読んでも理解出来なかったときにワークブックを使います。
4.模擬問題集で最新情報も
以上の流れを全て終えたら、次は模擬問題集も解いてみましょう。
模擬問題集は過去問よりも問題数が多く、難易度も上がります。
なので、過去問では出てこなかったような問題なども出てきます。
法令が変わることもあるので、過去問にはない問題もあるので、予想問題集にあたっておくのは大事です。
模擬問題集を解いたら、過去問と同じように間違えた問題は繰り返し解いていきましょう。
何となくこれかなという感じで解いて正解したものは、完全に理解は出来ていないので、自分で説明出来るくらいまで理解出来るようになるのが理想です。
ただたくさんの問題集を解いて数をこなして勉強した気になるのではなく、理解することを目的にしましょう。
まとめ
ケアマネの合格率が低い理由として今回紹介したのは、
・受験資格が改正されて、受験者が減った
・ケアマネに対して求める能力、専門性などが高くなり、試験が難しくなった
・受験者が社会人がほとんどなどの理由から勉強量が足りていない
主に以上の3つでした。
つまり、受験者が合格の為に出来ることというのはとにかく効率よく勉強するということです。
紹介したケアマネの試験勉強法は実際に合格した人が行なっていた方法なので、是非実践してみて欲しいです。
ケアマネの試験に合格するには、得意を伸ばすというよりは、苦手を克服して2つの分野でそれぞれ得点率を70%以上を目指すことです。
ご参考まで。